一年の中で、最も寒いにも拘らず最もカップルたちが熱くなる日
そう、今日はクリスマスである
この寒い時代と呼ばれる現代で、周りの状況など気にもしないバカップル
今回はそんなバカップル達の一日を見てみようか・・・・・





クリスマスSS 聖夜に集うバカップル達





『さて、まずは桜坂市からいこうか・・・・・
ん?俺?俺はしがない恋の天使ってところだ。ま、深く気にしないように
おっと、早速バカップル発見!!なになに・・・・・』

「えへへ〜、今日は楽しいクリスマス〜♪」
「ふっ、今日は一段と浮かれておるなマイハニー」
「だって〜。初めての舞人君とのクリスマスなんだよ〜?」
「・・・・・そうだったな」
「あ・・・・ご、ごめんね!え、えっと私・・・」
「くくっ、解ってるって。希望は俺の事もう忘れたりしないんだったろ?」
「う、うん。たとえ忘れても何度でも舞人君の所に行くって決めたんだもん!!」
「その意気だ星崎希望!!だから今夜は眠れると思わないように♪」
「・・・・・え?それってどういう・・・・・!?」
「・・・・今日はホワイトクリスマスになりそうだな〜♪」
「えええ!?舞人君まさか一晩中・・・・?(真っ赤)」
「さぁ、我等の愛の巣へ参ろうぞマイプリンセス!!」
「え、ちょ、まいとく・・・きゃあああ〜!!」

『あらら、あの女の子真っ赤になりながら部屋に押し込まれてったぞ・・・・・
あの分だと明日は動けなくなってるだろうな〜・・・・・
さて、次へ行くとするか・・・・・』





『お!!バカップル発見!!え〜とここは・・・緑王市か
どうやら喫茶店で働いてるみたいだが・・・・』

「やっと終わった〜!!今日は疲れたなぁ」
「お疲れ様秀晃君♪後は片付けだけね」
「サンキュ、華蓮。さぁて一気に片付けるとするか!!」
「それにしても皆仕事が終わると蜘蛛の子散らすように帰って行ったわね」
「ああ、今日は『咲月 ひな』のクリスマスコンサートがあるからな」
「マスターもさっさと引き上げて行ったし・・・・・私達も早く帰りましょ」
「ああ・・・・けどその前に・・・・・・」
「ちょ、ちょっと・・・・秀晃君ってばぁ・・・」
「華蓮はここが弱いんだよな♪」
「ああん・・・・もう、しょうがないんだからぁ・・・・」

『・・・・・・店の中で始めちゃったぞオイ(汗
あのまま眠って次の日の朝に目覚めたりしてな(笑
ま、好きにしてくれってことで次行くか・・・・・・』





『うーむ・・・・・・此処はこれといっていいバカップルは・・・・居た!!
えーと・・・・黒伸総合病院?今度は病院か・・・・
さてさて・・・・お、いたいた・・・・って医者と看護婦かよ(汗』

「拓哉〜。仕事終わった〜?」
「ああ、芹か・・・・・・今最後のツメの部分だ。もうじき終わるよ」
「ん、よろしい!!じゃあ休憩室で待ってるからね」
「ああ、すぐ行くよ。あと、今日は帰れないって連絡しとけよ」
「・・・・・拓哉のえっち♪」
「お、おまえなぁ・・・・合ってるから何も言えんが」
「あははっ、じゃあ後でね。た・く・や♪」
「了解・・・・ふぅ、行ったか・・・・・ん?あれは木葉ちゃん?」
「にゃんだばにゃんだばにゃんにゃんにゃーんなのでーす♪」
「相変わらずだな・・・・ってなんだあの手に持ってるビンは」
「あ、拓哉先生!すぐに芹さんのところに行くのです!!」
「は?木葉ちゃん何を・・・・・オイまさかそのビン!?」
「これは院長先生が隠し持ってた媚薬なのでーす♪」
「ふ、ふざけるなー!!っは!マズイ!!芹の元に急がないと!!」
「頑張るのですよ拓哉先生ー♪」
「覚えてろー!木葉ちゃーん!!」

『うわぁ・・・・あの子やる事えげつないなぁ・・・・・・
どれどれ・・・・・芹ちゃんはどうしてるかな・・・・』

「んん・・・・なんだか体が熱いよぉ・・・」
「せ、芹!!だいじょ・・・・・うぶじゃないな」
「たくやぁ・・・・・お願い・・・」
「と、とりあえず使ってない病室に行こう・・・・」
「じゃあ抱っこして・・・・・・もうボク歩けないよぉ・・・」
「りょ、了解だ・・・・」

『おやおや、二人とも顔が真っ赤になってるぞ
あれじゃ知り合いに見つかったらアウトだな・・・・
さーて、次は・・・・・・ん?おお、雪が降ってきたか』

「うわぁ・・・見て見て、舞人君♪」
「どうした希望・・・・お。雪か」

「はぁはぁ・・・・・あら?雪?」
「お?本当だ」

「や、やっと収まったよぉ・・・あれ?雪振ってる」
「お、本当だな」

しんしんと降る雪に彩られる恋人たち
天使もそれを見て満足そうな笑みを浮かべている
だがその時、雲の上から声が響いてきた





―おーい、そこで油売ってる天使ー。早く帰ってこーい!!―




『やば!!天使長のオッサンが怒ってる!!
早く帰んないとまた酷い目に合わされるな
んじゃ、帰るかな・・・・皆も楽しいクリスマスを過ごせよ!!じゃあな!!』

そう言いつつ空へ消えていく天使
彼の心の中にはいつも恋人たちへの暖かな思いがある
彼は最後にこう言い残していった




『全ての生あるものたちへ・・・・・・Merry Christmas!!』