First Kissは誰ですか? −NG編−
     written by 龍馬



「土見君のファーストキスっていつ?」

昼休憩になるなり、いつものメンバーで集まって弁当を食べていた時、急に麻弓がそう口を開いた。
俺は、いきなりの言葉に、口の中のものを吐き出してしまった。
周りのみんなも麻弓のいきなりの問いかけに、呆然としてしまっている。

「き、急に何を言うんだよ!」

俺はただそう口に出すことしかできなかった。
というか、何故今そんな質問をしてくるのか理解ができない。

「だって〜、土見君ってそういう浮いた話がないじゃない?その辺りどうなのか聞きたいわけよ」

と言いながら、麻弓はニヤニヤ笑いながら俺の横・・・楓を見ている。
ちなみに今日は楓が弁当番だ。
しかし、楓より先に反応したのは、シアやネリネだった。

「あ〜!私もそれ知りたい!」
「あの・・・私も・・・」

・・・・・泣きたくなった。
シアとネリネは期待のまなざしで俺を見ている。
ここまでされると、誰がファーストキスの相手か?と話すのは正直話しにくい。
しかし、シアとネリネの二人の反応を見て取った麻弓が、二人に訊ねた。

「そうだ!シアちゃんとリンちゃんのファーストキスはいつなの?」

俺の話から、急にシアとネリネの二人の話に切り替わったので、俺は安堵の息を吐いた。
逆に切り返された二人は、少し慌てていた。
が、意を決したのか、シアとネリネは頬を赤くしながら、麻弓の問いに答えた。

「「私のはじめては稟君(様)だよ(です)」」

・・・・・一瞬時が止まった。
そして周りから俺に放たれる殺気・嫉妬の数々。正直言って、ここから逃げ出したくなった。
しかし、俺に逃げる術はなかった。
何故なら、今度こそ俺の話だといわんばかりに、シアとネリネが俺の方を向いて微笑んだからだ。

「そうよね〜。シアちゃんとリンちゃんが勇気を出して言ってくれたんだから、土見君も言わなきゃね♪」

麻弓が二人に便乗して、俺に話を振り返す。
しかし、俺のファーストキスを話すにしても、俺は誰が最初か覚えていない。
唯一記憶に残っているのが、8年前のシアとのことだけだった。
・・・ということは、俺のファーストキスはシアなのか?
これ以上考えても埒が明かないので、俺はシアだと思い、それを口に出そうとした。

「俺のファーストキスはシ・・・「違いますよ?」」

俺が口に出そうとした瞬間、今まで俺の隣で黙って話を聞いていた楓が、突如口を開いた。

「稟君のファーストキスは、シアちゃんじゃありませんよ?」
「え・・・?」
「稟君のファーストキスは・・・」

ゴクッ

「私のお父さんです!!!」

「なっ・・・!」

そんな馬鹿な!?俺の大事なファーストキスが・・・初めての相手が・・・・・

おじさん!?

俺は楓の言葉を聞いた瞬間、意識が遠ざかって行くのを感じた・・・・・。



(Fin・・・?)
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<後書き>
-龍馬-
すいません。ホントに中途半端な小説となってしまいました。
補足をすれば、この話はALLエンド後といった設定で書いたものです。
しかし、登場キャラが稟を含め5人(シア・ネリネ・楓・麻弓)だけ…(汗)
とりあえず稟がNG編なので、メインキャラの話も書いていこうか?と思っています。

それではまた・・・