恋愛ブームY

 

written by 櫻井 和敏

 

私の名前は、惣流=アスカ=ラングレー。

第三新東京市立第一中学校の2年生よ。

実は今、私の学校ではやっていることがあるの。

それを、紹介しようと思うの・・・・・・

 

それは、私の学校で今、恋愛ブームになってしまったの?

勿論私も恋愛には興味は・・ある・・け・・ど・・・・・・

 

たいていの人は“先輩”や“先生”に恋愛の対象にしているようだけど、

私の場合は“シンジ”なの。

えっ?“シンジ”って誰かって?・・・あっ!忘れてたわね。

シンジっていうのは、私の幼馴染で、フルネームは“碇シンジ”よ。

しかし、シンジっていうのは、すごく“鈍感”な奴なの。

だって、シンジ・・・私の気持ちに全然気づいてくれないんだ。

その上、つい最近転校してきた“綾波レイ”と仲良くしているし・・・・・・

もしかしたら、シンジは“レイが好きなのでは?”と思ってしまうときがある。

2人が仲良くしているところを見るとき、必ずといっていいほど胸が締め付けられる。

そう、あの2人に嫉妬しているんだ・・・・・・って・・・

もし、レイの場所に私がいたら・・・シンジは・・あの・・笑顔を見せてくれるのか・・・って・・・

って思ってしまうの。

 

でも・・・いつか・・きっと・・私があの場所に・・・・・・

 

 

こういう時の私は、たいてい親友に相談するの?

そう、このクラスの委員長“洞木ヒカリ”に・・・・・・

 

「ねぇ、ヒカリ。鈴原とうまくいっているようだから訪ねたいんだけど

どうやって、あの鈴原に告白させたの?」

 

私の質問にヒカリの答は、意外なものだった。

 

「あのね、アスカ。“どうやって告白させたの”っていうけど

鈴原が私に告白したんじゃなくて、私が鈴原に告白したの。

じゃあなきゃ、碇君なみに鈍感なトウジが私に告白するはずないもの」

 

私は、驚いた。告白は男がするものだと思っていたからだ。

でも、考えてみれば鈴原がヒカリに“好きだ”っていうのは想像がつかない。

そう考えていると、ヒカリは・・・・・・

 

「だから、アスカのほうから碇君に告白してみなよ。碇君から告白して欲しいという

気持ちは判るけど、今の時代は女の子のほうから告白してもおかしくはないと思うの・・・

いつまでも、その気持ちをもっていたら・・・今に、綾波さんが碇君をとってしまうかもね」

 

私はヒカリの“綾波さんが碇君をとってしまうかもね”の発言に顔が真っ青になってしまった。

 

これは“まずい”と思った私は、ヒカリの助言通り自分から“告白”しようと決心した。

 

 

放課後・・・私は、シンジを学校の裏庭に呼び出した。

 

「どうしたの?アスカ・・・・・・」

「シンジに話があるの?」

 

暫く・・・沈黙するが・・・アスカは、決心したかのように・・・

 

「あ・・・あのね、シンジ。私・・・シンジのことが好きなの。

だ・・・だからシンジさえ良かったら、わ・・・私と・・・付き合って欲しいの・・・

“幼馴染”としてはなく“恋人”として・・・・・・」

 

私の告白に、シンジは・・・

 

「ありがとっ、アスカ。まさかアスカがボクのことを“好き”だったとは知らなかった

アスカは、ほかに好きな人がいて自分とは“幼馴染”でしかないと思っていたから・・・・・・」

 

私は、シンジの答を聞いて“やっぱりか・・・”と、思ってしまった。

でも、シンジの答はこれだけでなかった。

 

「だから、いうよ・・・ボクの気持ちを・・・碇シンジは惣流=アスカ=ラングレーのことが好きです。

至らない部分があると思いますが、一生・・・そばに・・・そして・・・守らせてください」

 

シンジの告白を聞いた私は、思わずシンジに抱きついてしまった・・・・・・

あたりまえだ。嬉しかったにほかならない。

すると、シンジは・・・・・・わたしを優しく包み込み、そして・・・・・・・・・

 

 

帰り道・・・私とシンジは“幼馴染”でなく“恋人”として一緒に歩いていた。

もちろん、腕をくんでね。・・・そういえば、昔は、よくやっていたのに・・・・なぜやめたんだろう・・・・・・

 

そういえば、ふと疑問に思ったことがあった。

そう・・・“綾波レイ”のことだ。

私はそのことをシンジにたずねると・・・

「綾波とは、そういう関係ではないよ。隣のクラスに“渚カヲル”がいるでしょ」

 

“渚カヲル”・・・・・・ホモと噂される、この学校の疫病神・・・・・・

そういえば、シンジと同じクラブだったわ。

 

「あの、“ホモ”の“渚カヲル”でしょ。それがどうしたの?」

「どうやら、綾波がカヲル君のことを気に入ってしまってね。

どうしたら自分のものにできるか、相談しにきていたんだ」

 

そうだったのか。レイはホモのことが好きだったのか。このことを聞いた私は胸をなで下ろした。

 

「そういえば、シンジ。転校生になんて教えたの?」

「うん、そのことなんだけどね。自分も困ってたんだ。何を考えているのかわからない人だからね

だから、こう助言したんだ。『はじめて接する人は、話が一致しない・・・ようは何を考えているのか

わからないんだ。だから、根気よく接していかないとカヲル君のことは理解できないよ』

ってな感じかな?」

 

私は、思わず・・・爆笑してしまった。シンジもホモのことを

“何を考えているのかわからない”っていってるんだもん。

 

 

 

なにか・・・話題をかえなきゃ・・・・・・

すると、シンジが・・・・・・

 

「そういえば・・・アスカ、いつからボクのこと“好き”だったの?」

 

唐突に何を聞いてくるのよ・・・シンジは・・・・・・心の準備ってものがあるでしょ?

 

そうボヤいている私に、シンジは・・・・・・

 

「ボクは、ホントのこというと・・・初めて会ったときからだったかな?

アスカのことが好きだったのは・・・・・・

まだその頃は小さかったら、ホントの意味での“好き”ではなかったのかも知れない・・・・・・

ようやく理解できる歳になったのは、小学校4年だったかな?

確か・・・その頃になると、アスカは急激に体型が変化して

“可愛い”というイメージから“綺麗”っていうイメージに変わっていたから、

ボクには“遠い存在になってしまった”て感じてしまった。だから、アスカのことは・・・

ずっと・・・“幼馴染”という関係でいよう。アスカに“恋”をするのはやめようって、

自分の中の感情を殺してしまったんだ」

 

シンジの独白を聞いた私は、幾分“ショック”を受けた。

そりゃ、そうだろう・・・私の急激に変化したプロモーションを見て、

“遠い存在になってしまった”“恋をするのはやめよう”と

言われると、誰でもそうなるだろう・・・・・・

だから、私はシンジに言い返してやった。

 

「シンジ・・・その考え、間違ってるよ。今の独白・・・はっきりいって私“ショック”を受けた。

幾ら私の体型が変化して“可愛い”っていうイメージから“綺麗”っていうイメージに

変わったからって恋をするのを止そうと思うのは間違ってる。

シンジだけは私のことは何でも知っていると思っていたから・・・・・・」

 

「そうだね。アスカの言う通りだよ。アスカの内面をよく知っているはずだったのに、

その部分を見落としてしまっていたんだからね」

「そうよ。その通りよ。外面だけで見られるより、内面を見てくれる人じゃないと・・・・・・

“好き”になれないよ」

 

すると、シンジは・・・・・・

 

「でも、もう心配しなくていいんだね。僕たちは互いに心が通じあって“恋人”になったんだからね・・・ずっと、一緒に・・・」

「そうだね。今のこの気持ちをずっと持っていれば・・・・・・絶対・・・・・・」

 

そうだ・・・私がシンジのこと好きになった理由言うの忘れてた・・・・・・

 

「シンジ。私、シンジのことがすきになった理由言うの忘れてた」

「そ・・・そういえば・・・そうだった・・・・・・」

「じゃあ、いうね」

 

そういうと、アスカは話始めた・・・・・・

 

「私がシンジのことを好きになったのは、小学校にあがる頃だった。

その頃の私は、青い眼と金髪っていうだけで虐められてた。

その時には必ずといっていいくらいシンジがかばってくれた。

そういうシンジの行動がすごく嬉しかったの」

 

シンジは、驚いていた。“そんな小さいときから思っていたなんて・・・・・・”と・・・・・・

さらにアスカは・・・・・・

 

「あの頃は、確かにシンジと同じ気持ちで、本当の意味での“好き”じゃあなかった。

しかし、思春期という時期を迎え、シンジの小さい頃のイメージが残っていた私は

すぐ、“恋”という形になって現れてしまったの。だけど、シンジは気づいてくれない

・・・・・・けど“好き”っていう感情が抑えられない・・・どうしたら・・・・・・っていうことが

ここ数年続いてた。

シンジは知らないだろうけど、家にいるときは、

“早く私の気持ちに気づいて”って一人寂しく呟いていたのよ。

そして、我慢できなくなってきたのは、“綾波レイ”が転校してきてからだった

今日、シンジの話を聞いて安心したけど、それまでは、転校生にシンジを

とられてしまうんじゃないかって考えていたから・・・・・・」

 

シンジは“そうだったのか・・・ここ数年、アスカは苦しかったんだ”と理解した。

 

それでも、シンジは・・・・・・

 

「でもさ、アスカ。思春期っていうのは、男の子より女の子の方が早く成長するって

聞いたことがあるんだ」

 

アスカは“えっ!”て呟いた。

 

「だから、もし・・・アスカがその頃ぼくを好きになっていたとしても、

その成長段階で男であるボクが気づかなかったとしても、成長速度が違うから

しょうがなかったと思うよ。大抵の男っていうのは、中学にはいり始めた頃から

恋を始めると聞いたことがあるから・・・・・・」

 

アスカはシンジの言葉に“信じられない”と思った。

人間だれしも、男であれ女であれ成長速度は一緒だと思っていたからだ。

それを“違う”といわれれば・・・・・・確かに“信じられない”と思ってしまうだろう・・・・・・

 

「だから、アスカの気持ちに気づかなかったと思うんだ」とシンジはアスカに言った。

 

そして・・・・・・「でも、もう心配することはないからね・・・アスカ」と宣言した。

 

 

そして、夕暮れの中2人は家路についた・・・・・・

 

 

翌日・・・・・・

晴れて恋人どうしになったアスカとシンジは、昨日の下校からやっている

腕を組んでの登校をしてきた。

そして、そこには、ヒカリとトウジ・・・そしてケンスケがいた。

 

そして、アスカは元気な声で・・・

「おはよっ!みんなっ!」

 

 

fin

 

 

 

あとがき・・・・・・

終わった・・・・・・短いのに、疲れた(-。-;

初めまして、櫻井 和敏です。

この内容で・・・「恋愛ブームY」でいいのだろうか・・・

チョット心配です、が・・・

 

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