久保勝の教師奮闘記 ‐in 『SHUFFLE!』‐
          written by 龍馬&隼人


第2話


勝が芙蓉家に無事に着き、稟と楓、プリムラが準備した夕食を食べていた。
そこでの話題は主に、プリムラのこと、稟達の生活の様子、そして現在の勝についてだった。

「ふ〜ん。プリムラちゃんは、だからこの家居るのか?俺はてっきり稟と楓ちゃんの・・・」
「・・・勝兄(怒)」
「だから冗談だってっ!マジにするなよ」
「あ、あははは(汗)」
「?」

といった感じで、それなりに(どこが?)会話が進んでいる。
そして、ふと思った稟が、勝が今何をしているのか知りたくなったので、問い掛けて見た。

「ところで、勝兄は今何してるんだ?」
「うん?」

稟の問いかけに、一瞬勝は遅れて話す。

「今の俺?・・・って知らないのかよっ!?」

いきなり大声を出す勝。それにビックリしたのか、楓とプリムラは、食事の手を思わず止めてしまった。また、大声が耳に響いた稟は、痛む耳を押さえながら、「知らない」と返事を返す。
その答えに、勝は脱力しながらも、言葉を繋ぐ。

「プロボクサーだよ。しかも今世界ランキングの1位に輝く、超有名なプロボクサーだぞっ!」
「へっ?」
「そ、そうなんですか?」
「?」

勝の言葉に驚く、稟と楓。というか、いつのまにか楓まで会話に参加していた。
プリムラは「ボクシング」と聞いても、ピンとこないので、首を傾げているが・・・。
しかし、勝は自分がそれなりには有名だと思っていたので、ショックが大きいようだ。
でも、稟と楓、そしてプリムラが知らないのは、仕方がない。何故なら彼らは、ボクシングなど見ないからだ。そこに気がつかずに、ショックを受けてへこんでいる勝には、哀愁が漂っている。
そんな姿を見て、流石に気の毒だと思った3人は、話題を変えようとする。

「そ、そういえばさ、勝兄はなんで、こっちに来たんだ?もしかしてボクシングがらみ?」
「そ、そうですね、私も気になってました」
「・・・私も気になるな・・・」

そういって、話題を逸らそうとする。プリムラが言葉を繋いだのは、稟と楓に合わせてだろうが・・・。
しばらく落ち込んでいた勝だが、3人の問いかけに応じようとする・・・が、

(待てよ・・・?3人とも俺がこっちにきた理由を知らないのか?それもそうか・・・、知ってたら聞かないだろうし・・・。だって、「バーベナ学園の教師だ」って言ったら、驚くに決まってるよな・・・?
いや、待てよ・・・。敢えて知らさずに、ここは適当にごまかして、あとでびっくりさせてやるか・・・)

と色々と長く考えた結果、ここは適当にごまかそうと思い、

「そうだ。ボクシングがらみでな、用があってな。しばらくお邪魔することになったんだ」

と言葉を繋いだ。3人はその言葉に納得したのか、別の話題へと話は変わっていった。
するとしばらくして、玄関の呼び鈴がなり、楓が「応対してきます」と言って、玄関へと駆けて行った。
稟と勝、そしてプリムラの残された3人は、とりとめのない会話を続けていった。
すると、「お邪魔するぜ」「お邪魔するよ」「ごめんね、楓ちゃん」「すいません、楓さん」といった声が聞こえてきた。
その声を聞いて、勝が稟のほうへ顔を向けると、稟はどこか疲れたような顔をしていた。

「どうした?」
「いや、なんでもないよ。勝兄・・・。ただ・・・「稟殿っ!」うわっ!」

勝が稟に問いかけ、稟がそれに答えようとしたときに、大柄な男があらわれ、いきなり稟に抱きついた。その姿に、勝が唖然としていると・・・・・

「お父さんっ!稟君になにやってるの!」
「そうだよっ!神ちゃん!私だって稟ちゃんに・・・」
「お父様!何言っているんですか!」

とさらに、4人のギャラリーが増えていた。その後ろでは、楓が困ったような顔をして立っている。
プリムラもさすがに驚いたのか、目を丸くしていた。
状況が呑み込めず、勝が呆然としていると、男に抱きつかれていた稟が、

「離してください!神王のおじさん!もしかして酔ってるんですか!?」
「俺は酔ってないぞ!稟殿!ただ将来のシアの婿殿とスキンシップを・・・」
「頼みますから離してください!そんなことは結構ですからっ!」
「そうだよ!神ちゃん!稟ちゃんはネリネちゃんの将来の結婚相手で、私の息子だよ!」
「いや!それも変ですから!」

と男達と、意味不明な会話を楽しんでいる。しかし、「稟のピンチ=俺様の出番」と勝の脳内のコンピュータは瞬時にはじき出し、勝は咄嗟にファイティングポーズを取り、稟に抱き着いている男に向かって、必殺の左ストレートを繰り出していた。この際、勝の頭の中には、素人相手にその拳を向けてはいけないという、ボクサーの常識は頭になかった。

「うごっ!」
「「「「「えっ!?」」」」」

しかし、時遅く、勝のパンチは神王様の脇にクリーンヒット。その衝撃で神王様は稟から離れた。
周りの人達は、今の勝の行動に驚いていた。というか、さっきまで勝の存在に気づいてなかっただけだが・・・。その直後、勝は我に返り、自分のした行為に気がついた。

「わっ!やべっ!素人相手に殴っちまった!だ、大丈夫ッスか?」
「すごい・・・私より早くお父さんに攻撃を加えるなんて・・・!」
「それより、あの神ちゃんを一撃で轟沈させるとね・・・」
「何をしたか、全然見えませんでした・・・」
「私もです・・・」
「すごい・・・」
「た、助かった(汗)」

それぞれが、いろんな感想を言葉に出す。しかし、約2名ほど感想が間違っているような気がする・・・。しかも、誰もが勝に驚嘆するばかりで、神王様のことを誰も心配していない・・・。
そんなことお構いなしなのか?

「だ、大丈夫ッスか?」
「う〜ん効いたぜ・・・」

などとやりとりをしている勝と神王様のことなど気にも止めていない。
・・・じゃなくて、プロのしかも世界レベルのパンチを食らって「効いたぜ」で終わっている神王様が恐ろしい・・・。そのあたりは、さすが神界の王といったところか・・・・・。
しかしそれより先に、周りの3人が疑問に思ったところは、

「ところで・・・」
「それより・・・」
「一体・・・」

「「「誰(ですか)?」」」

「はっ?」


(続く・・・)
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<後書き>
−龍馬−
第2話です。前半はともかく、後半は力尽きました・・・(涙)
これからはそんな事がないように、精進しますんでこのくらいで勘弁してください。

さて、今回の話ですが、シア、ネリネ、神王&魔王様が出てきました。
しかし、他のキャラは一体いつ出てくるやら・・・。
3話目は、2話の続きで書きますんで、上のキャラ以外出ません・・・(多分)
しかし、駄文だな〜(涙)文とか雑で滅茶苦茶だし・・・。
ホントすいません。
しかし、このような駄文でも、読んでくださる方がいる限りは、全力を尽くしますんで・・・。

それでは皆さん。また次回にお会いしましょう!

−隼人−
う〜ん、長編って難しいな〜。
キャラの台詞だけでも、そのキャラの性格を表すしな〜。
今更になって小説の難しさを実感。そして、次回こそ頑張ろうと決意する。

今回の心残りは・・・・・プリムラの台詞(出番)が少ないことだ〜(泣)
ちくしょう!!!
次こそは・・・次こそは・・・・!?
でも、他のキャラ考えると、台詞は均等に分けなきゃいけないしな・・・。

くそっ!こうなれば、今から『SHUFFLE!』のプリムラルートをプレイするぞ!(現実逃避?)
それでは皆さん!また次回!