希望と小町が泊まりに来て2日目の夜
ここ桜井家にまたしても現れた来訪者
その女の子の名は・・・・・・

「こんばんわ。おにいちゃん♪」

舞人の2つ下の後輩 森 青葉嬢であった




桜舞う・あぷろーち 第13話





「あれ?青葉ちゃん。どうしてここに?」

舞人は突如来訪した妹分の存在に目を点にしている
ちなみに応対に出た希望と小町は突然のライバル出現に、同じく目を点にしていた

「あのね、じつは私・・・・」

青葉がそう言いかけた途端、電話が鳴り響いた
とりあえず青葉を家に上げ、電話に出る舞人 
気になる相手はというと

『もしもし、愚息か?私だ。悪いが青葉ちゃん泊めてやってくれ』

桜坂最強(最凶ともいう)の主婦、桜井 舞子だった
舞人は突然のことにまたしても目が点になる
横にいる希望・小町はやっぱりという顔で深いため息をつき、青葉は嬉しそうな顔をしている

「泊まるのは構わんが・・・・理由だけ聞かせてくれ」
「ああ、それなんだがな・・・・・」





―数時間前 森家―

「ったく・・・・いきなり過ぎだってんだ」
「ええ、本当に・・・・困ったわねぇ」

リビングで深刻そうにしている森夫妻
そこへ帰ってくる一人娘 青葉

「ただいまぁ・・・ってどうしたの?お父さん、お母さん」
「いやな、東北のほうの子会社に助っ人で行ってくれって言われてな」
「お父さん一人じゃちょっと心配だから私も行くことにしたんだけど・・・・」
「そっかぁ・・・てやんでぇな事態だね・・・」

そう言いつつため息をつく3人
もちろん、青葉は転校などする気がないのは分かっているので悩みは深い
すると、玄関から一人の女性が音もなく部屋に入ってきた

「しかし青葉を一人に「任せろ。心配はいらん」おわっ!!舞子ちゃん!」
「び、びっくりしたぁ・・・・ちょっと舞子〜、いつの間に来たのよぉ」
「びっくりさせようと思ってな。それよりも青葉ちゃんなら心配要らんぞ」
「どういうこったい?」

首をかしげる3人
そして舞子が提案した解決法とは・・・・

「舞人の家に住ませる。異論はあるまい?」

とまぁ息子の事情など知ったこっちゃないというとんでもない物だった

「そ、それは願ってもない事だけど・・・・いいの?」
「舞人の事だから、この話を聞けばすぐに承知するさ」
「やったー!!おにいちゃんの家にお泊りだよー!!」
「悪ぃな、舞子ちゃん」
「気にするな。日ごろがうちの奴らが世話になってるしな。じゃ、連絡はしておく」

そう言って舞子は家に戻っていく
だが、帰宅した後に昼寝をしてしまい、連絡が遅れたのは別のお話・・・・・




―再び 桜井家―

『と、いうわけだ。頼んだぞ愚息』
「まぁそういう事情なら・・・・だがいつの間にシゲさん達と知り合いになったんだ?」
『美香子(青葉の母親)とは仕事仲間でな。私がこっちに来てからちょくちょく会ってたんだ」
「なるほどなぁ・・・よしわかった。仕送りだけ頼むぞ」
『わかってる。じゃあな』
「ああ」

そして受話器を置き皆の元へ戻る舞人
3人はお菓子を食べながら談笑していた

「青葉ちゃん、悪いが部屋が足りなくてね。今日はそこの2人と一緒に寝てくれ」
「うん、わかったよ」
「じゃあそろそろ寝ようか」
「そうですね。時間も遅いことですし」

小町の言うとおり既に日付が変わろうとしている時間だった
青葉や希望も眠そうに目をこすっている 

「じゃあ、おやすみ、皆」
「おやすみ、舞人君♪」
「おやすみなさい、せんぱい」
「おにいちゃんおやすみなさ〜い・・・・」

それぞれに挨拶をしながら寝床に入る4人
今日は4人とも疲れているようですぐに熟睡していた
ところが・・・・・

「う〜ん・・・トイレ・・・・」

寝ぼけなまこにトイレに行く青葉
用を足し、自分の布団に戻るのだが・・・

「・・・む〜・・・・おやすみなさい・・・」

寝ぼけて別の部屋に入ってしまった(無論、舞人の部屋である)
そして舞人の隣にもぐりこむ青葉

(なんだかあったかい・・・気持ちいいな〜)

そのまま2人とも気付かず熟睡してしまう
これでは翌日のとんでもない騒ぎになる事は間違いない
まぁ作者としては大助かりなのだが
その夜、舞人は何故か桜香の小さい頃の夢を見ていた・・・・・・




―翌朝―

「・・・・ん?朝か・・・・!!!?」
「ん・・・おにいちゃん・・・・」

朝目覚めたら隣に女の子が寝てましたという状態の舞人
すでに身も心も真っ白といった状態である
そこへ現れたのが・・・・

「まいとく〜ん♪おは・・・・」
「せんぱい、おはよ・・・・」

泣く子も黙る希望と小町コンビであった
しばらく沈黙する3人 だがその状態がいつまでも続くわけはなく・・・・

「「私も舞人君(せんぱい)の布団入りたい(です)!!」」

と、当然のように暴走する美少女2名
舞人は『何じゃそりゃ!?』と思いつつも何とか2人を説得にかかる
しかしその時・・・

「おにいちゃんそんなに激しくしたらだめだよぉ・・・・壊れちゃうってばぁ・・・・」

夢の中から突如出現した妹分のデンジャーワード
この発言にしばし固まる3人
しかも希望と小町にいたっては顔が真っ赤である
それを見た舞人はというと・・・

「ん?星崎に雪村・・・・顔が赤いぞ。風邪か?」

と言いつつ額に手を当ててしまう 無論、思惑などなく純粋に心配してのことだが
これが本人の地なのでつくづく性質の悪い男である

(うわぁ・・・舞人君の手ってすごく暖かいよぉ)
(昔もこうやってよくやってもらってましたね)

半分トリップしながら舞人の手を堪能する二人
すると青葉が目をこすりながら体を起こした

「ん〜・・・あれ?私なんで・・・?」
「おはよう、青葉ちゃん」

気付いた舞人が声をかけると青葉は状況を理解したらしく、顔を真っ赤にして布団に潜り込む
それを見た希望と小町も、負けじと舞人の布団に特攻していく
その光景を見た舞人は一言こう思った

(いや、3人とも遅刻するぞ・・・・)




その後、4人が遅刻寸前なのに気付き、慌てて学校へ向かったのは別のお話・・・・・




END





後書き

第13話終了!!今回は青葉が来た!!
青葉「えへへ、おにいちゃんと一緒に寝ちゃった」
かぐら「青葉ちゃ〜ん・・・・羨ましいですぅ・・・・」
華蓮「でも好きな人と一緒に寝るっていうのは」
翠「やっぱり特別なものですよねぇ」
・・・・・そこ、2人して俺を可哀想な目で見るのやめい。さ、締めるぞ せーの・・・

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