舞人がドキドキ混浴初体験の数日後・・・・・

「ひかり、お父さんも反省してるみたいだし、そろそろ・・・」
「ま、しょうがないか。今までありがとう。またよろしくね」
「またって・・・・・(汗 まぁ頑張ってください姐さん」
「また来てくださいね♪」
「じゃあ結城先輩また学校で」

ひかり母が娘を迎えに桜井家に来ていた
それを見送る舞人、桜花、希望
だが、それを影からそっと覗き見る者がいた

「星崎先輩・・・・・せんぱいを独り占めしようなんてそうはいきませんよ・・・・」





桜舞う・あぷろーち 第11話





電信柱の影から舞人たちを見ている、舞人の後輩 雪村 小町
彼女の脳内会議では、「どうやって桜井家にお世話になるか」と言う議論が巻き起こっていた

「結城先輩が折角いなくなったのにこのチャンスを見過ごすんですか!?」
「でもせんぱいの家にだなんてこの雪村は恥ずかしくてとても・・・・・」
「けれどここは恋する乙女としてせんぱいに愛の手を・・・・」

どうやら泊まる事が前提のようだ
ちなみに桜花はしっかりと小町を見つけていた

(あらら、今度は小町さんですか。後で親御さんに連絡とってみましょう♪)

と、小町滞在に協力的な様子(笑
舞人は全然気がつかずに家に入っていった
希望はと言うと最大のチャンス到来に胸を躍らせていた

(舞人君と二人っきり・・・・・よーし!!ここは思い切って・・・きゃ〜!!私ったら恥ずかし〜!!照れりこ照れりこ!!)

・・・・・舞人早くも貞操の危機到来
だが、舞人は相変わらずちっとも気がついていない
鈍感もここまでくると手が付けられないと言った所だろう
そして希望が家に入っていき、小町は策を練るべく帰宅する
桜花も家に入ろうとしたその時

「桜花ちゃーん」

桜花の恋人 牧島 麦兵衛が息を切らせながら走ってきていた

「あれ?麦兵衛さん♪どうしたんですか?」
「えっと、実は・・・」

麦兵衛の話によると
・今日は居候先の方々が旅行に行く日
・本当は一人残るはずが全員で行く事になった
・その為麦兵衛の世話をしてくれる人がいない
との事だった
だがこの事を聞いたとたん、桜花が燃え上がった

「任せてください!!すぐにお兄ちゃんに外出許可貰ってきますから!!」
「え!?いいのかい桜香ちゃん!?」
「はい!麦兵衛さんの為ならたとえ火の中水の中です!!」
「お、桜花ちゃ〜ん(感涙)」

真っ赤になりながらカミングアウトする桜花と感激して嬉し涙を流す麦兵衛
ちょうどそこへ舞人と希望が出てきた

「どうしたんだ?桜花・・・・と牧島」
「あ、お兄ちゃん。実は・・・・・」

桜花が事情を説明すると舞人は麦兵衛に一言こう言い放った

「牧島、桜花の事宜しくな。だが子供はまだ早いからな」

それを聞いた麦兵衛と桜花は真っ赤になりながら反論する

「せ、先輩からかわないで下さい!!そ、そのなんというか桜香ちゃんとならとは思いますが・・」
「お、お兄ちゃん!も〜、いい加減な事言わないで下さいよぅ」

桜花もやられっぱなしではいない すぐさま反撃に出る

「希望さん、お兄ちゃんの世話宜しくお願いします。そう、夜の世話までも」
「うん、任されたよ♪舞人君のことは任せてゆっくりしてきてね♪」
「んあ!?今聞き捨てならない単語を聞いたような・・・・」

とても嬉しそうな希望と激しく狼狽する舞人
とりあえず話が纏まったので解散する事になった
ちなみにこの時の桜花を、舞人はこう語った

「顔真っ赤にしながら心底嬉しそうな表情だった。ありゃ随分前からこうなる事考えてたな」と・・・・




―舞人たちが出てきたころの雪村家―

「ただいまー」
「お帰り小町。ちょっと頼みたい事があるんだけど・・・・」
「え?なに?お母さん」
「実は親戚が集る事になって家がちょっと手狭になるのよ」
「ふんふん」
「あのキザな渉(親戚の名前)も来るしね」
「うわぁ・・・・それは嫌なんだけど」
「だから舞人君に連絡しとくから今日は」
「っ!!わかった!!すぐ用意します!!」
「うんうん、流石我が娘。頑張りなさい♪」
「せんぱ〜い。待っててくださいね〜♪今貴方の小町が参ります〜♪」
「頑張れ我が娘・・・・さて、舞子先輩に連絡しないと・・・・」

そして受話器を取り舞子に連絡する小町母
勿論即座に承諾され出撃準備は整った(笑
そして・・・・・

「じゃ、行ってきます!!」
「いってらっしゃ〜い♪」

やる気満々の小町が舞人の元へ向かう
母親は楽しそうにそれを見送っていた
その晩、小町がいなくて騒然とした雰囲気になったのは別のお話・・・
そして渉が小町には好きな人がいる、そして今日はその人の家に泊まりに行ったと聞いて
灰になったのはもっと別のお話・・・・





―夕方 桜井家―

『今度はこまっちゃんか。ま、モテる自分の運命を呪いな愚息』
「お袋・・・・頼むから俺の平穏を壊さないでくれ・・・・」
「むむむ・・・・小町ちゃんかぁ・・・・強敵だね」
『まぁこまっちゃんなら昔からの仲だし困る事はあるまい、頑張れ。じゃあな』

そう言って電話を切られる舞人 
横では聞き耳を立てていた希望が新たなるライバル出現に闘志を燃やしている
既に夕食は済ませたため後はお風呂に入るだけの状態だっただけに悔しさはひとしおであろう
そして・・・・・

『こんばんわー、せんぱ〜い。雪村小町、只今参上致しましたー!!』
「うっ・・・・遂にやってきたか雪村」
「小町ちゃん・・・・絶対に負けないんだから・・・・」

舞人が小町を家に入れるためドアを開けた瞬間、小町が奇襲攻撃を仕掛けた

「せんぱ〜い♪この雪村、せんぱいの妻となるべく色々と努力してまいりました!!
 なんでしたら今夜にでも早速試してみて下さい♪勿論、先輩の為ならどんな事でもシテみせますよ〜」
「ゆ、雪村・・・・・いきなり抱きついてそのセリフはどうかと思うぞ・・・・」
「くっ、くきき〜!!小町ちゃん!!舞人君から離れなさ〜い!!」

嬉しそうに舞人に抱きつく小町とそれを引き離しにかかる希望
舞人は腕に感じる柔らかな感触に内心ドキドキしていた
希望もそれに気付いたようで自分も抱きつく
こうなると舞人の出来る事といったら顔を紅くしながら耐えるしかないわけで・・・・・

「桜花、お兄ちゃんはやっぱりお前が必要だよ・・・・・・・」

遠い空を見ながら呟く舞人は彼女たちにはかっこいいとしか見えてない
その夜、希望と小町の間で凄まじいほどのプレッシャーのぶつけ合いがあったことは言うまでもない
嗚呼、逞しきかな恋する乙女たち・・・・・・・




ちなみにいつまでも3人で玄関にいたせいで、ご近所の方々に「二股かしらね」と噂されていたのは別のお話・・・・・





後書き

第11話完成!!
希望「小町ちゃん・・・・」
小町「星崎先輩・・・・・・」

「「いざ、勝負!!!」」

華蓮「あらら、凄い事になっちゃった」
翠「二人とも根が一途ですから・・・・」
だな。とりあえず締めて観戦といくか せーの・・・

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